【散布代行事業者】畑作(麦・豆・馬鈴薯)でのFLIGHTS-AG防除事例

2020/03/04

北海道十勝地方にてFLIGHTS-AGで農薬散布事業を行う合同会社Garden様と、『畑作でのドローン防除の最新事例を伝える体験会』を2020年1月24日(金)に帯広畜産大学で開催しました。Gardenのドローン担当の方が体験会の中でお話ししました、畑作でのドローン防除について紹介します。

なお、北海道平野部でドローン散布を行う利点については、【散布代行事業者】北海道での農薬散布にドローンは有効か?の記事でお話しています。

畑作作物別、ドローン防除とその効果

2019年、私たちは十勝地方の畑作作物を育てている農家さんに協力依頼し、農薬散布ドローン「FLIGHTS-AG」での空中散布による防除の実証を行いました。無人航空ヘリコプターでの空中散布やブームスプレイヤーでの地上散布と、ドローンでの空中散布を比較してみたところ、防除効果が高い結果が得られました。また、例年に比べ、収量が増加したケースもありました。

あくまで私たちが行った実証の結果となりますが、ご紹介させていただきます。

対象作物:麦(大麦・小麦)

麦は1日で約35町の散布が可能です。

アブラムシ類や赤カビ病を対象にした防除を、2回(6月中旬、7月上旬)に分けて実施。雪腐病防除は散布代行依頼があり、11月中旬に実施しました。

十勝エリアの小麦は、ヘリコプターでの空中散布が行われているため、空中散布で使用されている農薬の系統を鑑みて、ドローン散布での農薬を選ぶようにしています。空中散布登録されている農薬だけでは薬剤が足りない場合は、地上散布用の倍率で希釈して空中散布することが可能です。空中散布用の農薬と混用しても化学変化が起きづらい農薬を選んで使用したことで、防除効果が十分に得られたと考えられます。

北海道では、雪腐病の防除も重要です。病害として、大粒菌核病、黒色小粒菌核病、褐色小粒菌核病、紅色雪腐病という種類があります。対象病害に合わせて、シルバキュアやベフトップジン等を使い分けて効果的に防除を行うことが出来ました。

対象作物:豆(大豆・小豆)

豆は1日で約25町の散布が可能です。

散布代行での防除はハスモンヨトウに行いました。

実証はアブラムシ類を対象に、ブームスプレイヤーを使用した地上散布と、ドローンでの空中散布を、試験エリアをそれぞれ設けて比較する形で実施しました。結果、アブラムシの防除効果はドローンによる空中散布の方が効果が見られました。私たちの考察は、ドローンのダウンウォッシュがアブラムシを吹き飛ばした上で、農薬を散布してくから効果が高められたというものです。詳細データは今後さらに収集していく予定です。

ドローン散布の課題としては、豆類は葉の撥水性が高いため、空中散布だけでは効果が出にくく、農薬の浸透移行性をどう高めるかが重要です。私たちは浸透移行性が低い農薬であっても、液剤の広がり方・着き方が良くなる手法を、農家の方々に協力いただき、展着剤を使用するなどして実現しました。この方法で、大豆に対しても防除効果を安定して得られるようになりました。

対象作物:馬鈴薯

馬鈴薯は1日で約20町の散布が可能です。

ヘリコプターでの空中散布では、ダウンウォッシュ(浮上する際に発生する吹き下ろしの風)によって、茎が折れたり、葉や蔦にダメージが大きく、一方ドローンのダウンウォッシュではそこまでではないため、作物に与えるダメージが軽減出来ました。

ただ、ドローンであってもダウンウォッシュが同じ場所に何度も繰り返されると、作物が萎びてしまい、病気になったり、防除効果が十分得られなくなります。

馬鈴薯は10aあたり3.2ℓの薬剤散布が必要となるケースが多く、水稲基準の吐出量(0.8ℓ/分)のドローンで散布する場合は同じ箇所を何度も飛行させる必要があります。そのため、私たちはドローンの吐出量が調整出来るかFLIGHTSに相談し、対応してもらったことで、同じ箇所の飛行回数を減らすことが出来ました。

散布に必要な薬剤の量と、ドローンの吐出量は、機体選びのポイントの1つにもなると思います。

お問い合わせ:合同会社Garden  garden.obihiro.dr@gmail.com


Garden様は、今回紹介した麦、豆、馬鈴薯のほかに、かぼちゃ、デントコーン、スイートコーンについても実証を行っています。ドローンでの空中散布が、十勝エリアの農作物に効果的かつ実用的に使えるよう、今後も農家の皆さまの協力もいただきながら、実証を続けていくそうです。

より多くの場面でFLIGHTS-AGをお使いいただけるよう、ご利用者様の意見なども参考に、改善・改良を続け、農業でのドローン普及に貢献してまいります。

※本記事は、北海道畑作防除向け体験会レポートの前編となります。北海道平野部でのドローン散布について話した後編はこちらです。
【散布代行事業者】北海道での農薬散布にドローンは有効か?

2020/03/04