カソロンを解説!水稲除草剤の種類について
カソロンとは?
カソロンは成分にDBNを含む除草剤です。粒剤では、有効成分としてDBNを2.5 〜6.7 %含んでいます。発生している雑草を根こそぎ枯らすことが可能な非選択性除草剤です。
特にカソロン粒剤 6.7 は長期間の抑草効果が期待できる除草剤で、除草作業の省力化や、農道・畦畔の景観保持が図れる薬剤として使用されています。
また、草刈回数を減らせる技術として「作付け前の除草剤散布」という形で支持されています。
特長と使われ方
基本的には農道・ 畦畔に使用し、一年生雑草及び 多年生広葉雑草、除草が難しいスギナなどにも大きな効果があります。
種子に作用して発芽できなくするのが特徴です。そのため、カソロンを処理することで2〜3ヶ月間雑草の発生を予防します。また、薬剤の残効が長く、秋冬や春先に散布しても効果が持続します。そのため、夏の除草作業を軽減できます。
雑草の発生前~発生始めに散布を行う事で抑草効果を発揮し、茎葉除草剤を使用した時の一面枯草になってしまうような景観悪化はありません。
なお粒剤・土壌処理剤の薬剤は、粒状の薬剤が溶けて、土に染みこみそれを植物が根から吸収して効果を発揮します。そのため晴天が続いているような天候や、土がからからに乾いている場面では効果が薄い点に気をつけましょう。
水田での使われ方
農作業の閑散期である11~12月の秋冬期や、3~4月の春期に散布を行っても、残効が長期に渡り発揮され十分な効果を示します。
抑草期間は夏頃の8月にまで渡って続き、8月に残った雑草の草刈りや除草剤散布を行えば大丈夫です。従来の茎葉処理剤を用いた体系のように、年に数度散布を行う必要はありません。
また、雑草を完全に全て枯らせるわけではなく、少しだけ雑草は残るため畦畔の地盤悪化による崩れのリスクを抑えます。
空中散布の可否
今現在、カソロンやDBNを有効成分とする除草剤で、農林水産航空協会より空中散布が許可されている薬剤はありません。
カソロンだけでなく、有名なラウンドアップ等もですが、非選択性薬剤は作物や周辺環境への薬害があり得るため、基本的に空中散布が許可されていません。畦畔などに使用することが多いカソロンですが、使用する際には手動で散布を行いましょう。
基本的に粒剤タイプの除草剤は、雑草を枯らしたい場所、防除・駆除したい場所にパラパラとまくだけです。購入時の容器から直接まけるものもあります。
散布量はそれぞれの薬剤の説明書きに、記載がありますので確認して行って下さい。
参考
アグロカネショウ株式会社:カソロン粒剤6.7
アグロカネショウ株式会社:カソロン粒剤6.7(PDF)
JA全農にいがた:営農レポートNiigata