サンフーロンとは?グリホサート系除草剤について

2019/04/17

サンフーロンとは?

サンフーロンはグリホサート系の除草剤であり、農業従事者、造園業、一般の家庭菜園を作っている方まで多くの人々から支持を得ている除草剤です。

サンフーロンは、グリホサートイソプロピルアミン塩液剤を41%成分として含んでいます。植物の葉や茎にかかることで効力を発揮し、その植物を根まで枯らします。

成分に関しては「非選択性」に分類され、グリホサートの成分によりどんな植物でも枯らしてしまう効果があります。便利である一方、作物が植わっている畑にまくと作物も枯らしてしまうリスクがあります。そのため、サンフーロンを積極的に作物が生えている圃場には使用しません。

非選択性除草剤は、触れたものを全てを無差別に枯れさせてしまうという効果から、農耕地ではない畦畔といった場所に生える雑草を全て枯らせるために使用するのが一般的です。

特長と使われ方

一年生から多年生雑草まで幅広い雑草に優れた効果を発揮します。多年生雑草の根まで枯れさせることが可能です。

サンフーロンは茎や葉に液剤がかかってから移行して成分が発現する「茎葉移行型」の農薬です。散布してから効果がでるまで少し時間がかかりますが、効果の持続性や残効性がほとんどありません。何ヶ月も草が生えなくなるといったことが無いため、使用後すぐに作物の作付けができるのも非常に便利なポイントです。

土壌に残留しないため水田の畦畔や、水稲を耕起する前、小麦やその他畑作の土地にも使用可能です。その他空き地や駐車場などにも使われます。

注意点としては、非選択性であるため飛散薬害に要注意なことが挙げられます。また、希釈倍率が細かく指定されているため、除草したい場所生えている雑草に合わせて、雑草ごとに指定された水量で希釈を行う必要があります。

ラウンドアップとの違い

サンフーロンはジェネリックの除草剤です。ラウンドアップの特許が切れたため、農薬でもジェネリックとしてサンフーロンが登場しました。

ジェネリックとは特許が切れた薬と同じ成分で、同じ効果が出せるように作られている薬品です。そして開発コストがかかっていないぶん、ラウンドアップと効果を変えずに安い価格手に入るのが大きな利点です。

具体的には、ラウンドアップとサンフーロンは同じグリホサート系の農薬であり、速効性があり土にかかると自然分解されます。成分や効果はほとんど同じですが、5ℓのボトルで価格はおよそ3000円ほどサンフーロンの方が安いです。

ラウンドアップは知名度が非常に高く、今なお頑固なスギナ対策などで根強い人気を誇っています。しかしながら、現在ラウンドアップを使用している方はサンフーロンに乗り換えるのが費用対効果の面でオススメだと言えます。

空中散布の可否

今現在、サンフーロンで空中散布専用に作られている薬剤はありません。

サンフーロンだけでなくラウンドアップもそうですが、非選択性薬剤は作物や周辺環境への薬害があり得るため、基本的に空中散布は推奨されていません。畦畔などに使用することが多いサンフーロンですが、使用する際には手動で散布を行うことが推奨されています。

しかし、「除草剤はドローン等では散布できない」と考えていらっしゃる方が多くいますが、これは誤解です。ラウンドアップやサンフーロンをドローン等で散布することは法的に問題なく、散布自体は可能です。農林水産省もドローン等を使用した散布方法に対して特に制限を設けていないと発表しています。

ただし、非選択性除草剤を空中散布する行為には、ドリフトや残留農薬が発生する問題が発生するリスクが発生します。そのため特に農薬メーカーは推奨していません。空中散布を行う場合は圃場ではない場所に使用することを原則に、取扱は慎重に行うのがよいでしょう。

グリホサートについて

有効成分

サンフーロンの有効成分でありグリホサートは非選択性であり、1種類の除草剤ですべての雑草を枯らすことが出来ます。そのため、生えている雑草の種類に合わせて多くの種類の除草剤を混ぜたり、それぞれの雑草に合わせた農薬を散布する必要がありません。雑草に占領されていた土地を一気に枯らせることにより、手間無く農耕に再度利用することができます。

また、各農薬メーカーの説明によると、ヒトや動物の健康へ悪影響は及ぼしません。

効果の出方

グリホサートは植物の「代謝経路」を阻害することで効果を現します。代謝経路とは、生物が吸収した栄養分を体内で使える形に変えて自分の体の成分や活動するためのエネルギーを作る道筋のことです。

特にグリホサートは、タンパク質の原料であるアミノ酸の生合成を阻害します。アミノ酸はアミノ酸の種類ごとに特定の代謝経路を通って作られます。この代謝経路の中のうち、植物にしかない経路を阻害します。これにより、(理論上は)植物へ効果があるが動物には影響が無いという効果の出方をします。

しかし、近年このグリホサートは現在WHOを中心に「人体に悪影響があるのではないか」と危惧されています。この点について後ほど解説します。

その他補足事項

グリホサートの毒性に関する議論

ラウンドアップの主成分であるグリホサートは、「発がん性物質ではないか」「がん以外にも健康への影響が大きいのではないか」と危険性が問題になり、世界各地で実験や検査が行なわれています。

2015年3月、WHO(世界保健機関)の専門家機関であるIARC(国際がん研究機関)は、グリホサートが発がん物質「2A」の位置づけであるとし、発がん性が強く疑われる薬物であるという声明を行いました。

また、2017年に行われたごく微量のグリホサートを摂取し続ける実験では、グリホサートが人体、特に肝臓に悪影響を及ぼすというデータも出ています。

被験者は実験を通じて脂肪肝疾患を引き起こし、通常肥満の人に見られる非アルコール性脂肪肝疾患となりました。この病気では疲労、衰弱、食欲不振、吐き気、腹痛、血管への影響、黄疸、浮腫といった症状を示します。

こうした実証実験を経て、世界はラウンドアップ・サンフーロンの有効成分であるグリホサートの禁止の方向へ動いています。事実、2018年にアメリカのカリフォルニア州でラウンドアップのメーカーであるモンサント社が「ラウンドアップの危険性を告知しなかったこと」を理由に裁判を起こされ、有罪判決が出ています。

現在、日本のホームセンターや薬局などで販売されているグリホサート系除草剤。現状、日本では「毒性は高くない」と認知されて幅広く普及している薬剤ですが、日本でも議論になる日は近いのかもしれません。

参考:
産業用無人航空機用農薬:一般社団法人 農林水産航空協会
サンフーロン:株式会社アイ・エイチ・エス
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2019/04/17